資本剰余金を原資とする配当の税務上の取扱いとは?通常配当との違いや計算式の解説

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  • No : 3052
  • 公開日時 : 2018/06/07 14:25
  • 更新日時 : 2025/11/28 08:50
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資本剰余金を原資とする配当の税務上の取扱いとは?通常配当との違いや計算式の解説

回答

資本剰余金を原資とする配当を受け取った場合、通常の配当(利益剰余金を原資とするもの)とは異なり、保有株式の一部を払い戻した(譲渡した)とみなされるため、税務上の取扱いが異なります。

主な違いは以下の通りです。

 

【比較表】通常の配当と資本剰余金を原資とする配当の違い

項目 通常の配当 資本剰余金を原資とする配当
配当原資 利益剰余金 資本剰余金
税務上の区分 配当所得

譲渡所得(みなし譲渡損益)

※一部「みなし配当」となる場合あり

特定口座の対応 源泉徴収される(源泉徴収あり口座の場合)

取得単価の調整が必要

※証券会社側で自動計算されます

 

税務上の扱いについて(みなし譲渡)

資本剰余金を原資とする配当は、会社法上の「資本の払い戻し」に該当します。そのため、税務上は以下の2つの要素に分解して考えます。

  • みなし譲渡損益(譲渡所得)
    株式の一部を売却して利益(または損失)が出たとみなされる部分。
  • みなし配当(配当所得)
    利益の配当とみなされる部分(※発生しない場合もあります)。

 

計算方法と取得単価の調整

「みなし譲渡損益」および「調整後の取得単価」は、発行会社から通知される「純資産減少割合」を用いて以下の手順で計算されます。

※通常、発行会社から株主宛ての「配当金に関するご案内」等の文書にて、資本剰余金を原資とする配当である旨、みなし配当の額、および純資産減少割合などが案内されます。
 

計算例

  • 保有株数:100株
  • 取得単価(調整前):1,000円
  • 1株あたりの受け取り金額:10円(うち、みなし配当 2円)
  • 純資産減少割合:0.05

 

みなし譲渡損益の計算

みなし譲渡損益額=収入とみなされる金額-取得価額

  1. 収入とみなされる金額
    (1株 10円 × 100株)-(1株あたりのみなし配当 2円 × 100株)=800円
  2. 取得価額
    (取得単価 1,000円 × 100株) × 純資産減少割合 0.05 = 5,000円
  3. みなし譲渡損益
    800円 - 5,000円 = -4,200円(みなし譲渡損)

 

特定口座での取得単価の調整

調整後の取得単価 = 調整前の取得単価 - (調整前の取得単価 × 純資産減少割合)
1,000円 - (1,000円 × 0.05) = 950円

今後は、この950円が新しい取得単価となります。

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