変動率を意味するボラティリティには、ヒストリカル・ボラティリティとインプライド・ボラティリティがあります。
インプライド・ボラティリティ(Implied Volatility、IV)は、将来の変動率を予測したもので、予想変動率ともいいます。オプション取引は将来の予測ですので、変動率も“将来の変動率”を利用します。この将来の変動率には、市場関係者における将来の予想(人気、期待度など)が反映されています。
予想変動率は、ヒストリカル・ボラティリティ(実際の過去の相場の変動率)を基に、今後の相場動向の予想や需給関係を加味して決定されます。
予想変動率の理論値を計算する方法はありませんが、上場オプションの場合は、オプション価格(プレミアム)で取引されているので、ブラック・ショールズ・モデルを使ってプレミアムから逆算し、インプライド・ボラティリティを計算しております。
一方、ヒストリカル・ボラティリティ(Historical Volatility、HV)は、過去のデータに基づいて算出した将来の変動率で、歴史的変動率ともいいます。日々の原資産価格の変化率の平均値として計算されるもので、統計学でいう標準偏差(σ-シグマ)にあたります。歴史的変動率は、予想変動率を推測するのに使われています。