クロージング・オークションの板寄せ約定において、約定値段が売買成立可能値幅の範囲外にある場合、または、成行超過で約定値段がなくストップ配分の条件も満たさない場合、約定成立可能値幅(※)の上限または下限で約定処理をおこないます。これを「特別約定」といいます。
通常は価格優先が適用されますが、特別約定時は時間優先が適用されます。
(※)約定成立可能値幅・・・直前の約定値段を基準とする約定可能な範囲のこと。直前の約定値段から、更新値幅分の範囲が対象。なお、更新値幅は大引けに限り2倍に拡大される。
<参考>更新値幅(日本取引所グループ)
例1:約定値段が売買成立可能値幅の範囲外にある場合
直前の約定値段は800円、約定成立可能値幅は770~830円。
売累計と買累計が一致するのは約定成立可能値幅外の845円のため、通常は約定しない。
その場合であっても、約定成立可能値幅の上限である830円で売り買いがクロスするため、830円以下の売り注文はすべて約定し、830円以上の買い注文の中から60株の割当を決める。

例2:成行超過で約定値段がなくストップ配分の条件も満たさない場合
直前の約定値段は800円、約定成立可能値幅は770~830円。
買いの成行注文の数量(130株)が売注文の総数量(115株)よりも少ないため、通常は約定しない。
その場合であっても、約定成立可能値幅の上限である830円で売り買いがクロスするため、830円以下の売り注文はすべて約定し、830円以上の買い注文の中から60株の割当を決める。