• No : 864
  • 公開日時 : 2017/06/28 13:25
  • 更新日時 : 2023/05/23 16:51
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同一銘柄を2回以上にわたって買付けた場合の取得価額はどのように計算するのですか?

回答

現物取引と信用取引では計算方法が異なります。
また、現物取引において、売却した日(受渡日)と同一日に、同一銘柄の「買付(受渡日)」または「入庫」があった場合の取得価額は、特定口座以外(※)での計算方法と特定口座における計算方法が異なりますのでご留意ください。

※ 証券会社の一般口座で保護預りされている場合や信託銀行の特別口座で管理している場合

現物株式

特定口座または特定口座以外での保有にかかわらず、譲渡所得または雑所得となるとき(※)には、譲渡日現在において「総平均法に準ずる方法」で取得価額を計算することとされております。
具体的には、ある株式を最初に買付けたとき(その後すでにその株式を譲渡している場合には、直前の譲渡のとき)から、その譲渡を行ったときまでに買付けたそれぞれの買付価額を加重平均し、その価額を譲渡原価として取得価額を計算します。

※ 株式の譲渡による所得は、一般的には譲渡所得または雑所得として取り扱われますが、事業所得となる場合は、「総平均法」により計算します。

「総平均法に準ずる方法」の計算例

売買時 売買の別 単価 数量 保有株数 平均
取得単価
取得価額
2002年4月 買い 1,000円 1,000株 1,000株 1,000円  
2002年5月 買い 1,100円 1,000株 2,000株 1,050円  
2002年6月 売り 1,200円 1,000株 1,000株 1,050円
2002年7月 買い 800円 1,000株 2,000株 925円  
2002年8月 売り 1,000円 2,000株 0株 925円
(株式売買手数料、消費税は考慮しておりません。)
① 2002年6月売却時の取得価額
=(1,000円×1,000株+1,100円×1,000株)÷(1,000株+1,000株)×1,000株
=1,050,000円
② 2002年8月売却時の取得価額
=(1,050円×1,000株(※)+800円×1000株)÷(1000株+1000株)×2,000株
=1,850,000円
※ 期間中に売却しなかった株式についてはその平均取得単価が繰越されます。

【動画で解説!】

譲渡した日(受渡日)と同一日に、同一銘柄の「買付(受渡日)」または「入庫」があった場合の取得価額の計算方法について
  • 特定口座以外での計算方法
    その日の時間の経過順に総平均法に準ずる方法で計算します。
  • 特定口座での計算方法
    譲渡した日(受渡日)と同一日内の「買付(受渡日)」または「入庫」した上場株式等の取得価額を加味して総平均法に準ずる方法で計算します。
    なお、取得価額は、証券会社の特定口座ごとに計算されます。

計算例

【動画で解説!】

信用取引

反対売買により決済した場合の取得価額は、総平均法に準ずる方法により取得価額の計算を行うのではなく、建玉の単価ごとに計算します。(個別法)したがって、同一銘柄の他の建玉や現物取引で取得した株式とあわせて取得価額を計算することはできません。

現物取引と信用取引の双方で売却した場合

それぞれ別に取得価額を算出したうえで損益を計算し、最終的に合算して損益通算を行い確定申告をします。

「現渡」を行う場合または「現引」後譲渡した場合

現物取引の取扱いとなりますので、現物の同一銘柄とあわせて「総平均法に準ずる方法」で取得価額を計算します。